Z世代の”性”と”オープンマインド”

Z世代の性とオープンマインド Culture & Trend

● キーワード
 ◯ Z世代
 ◯ オープンマインド
 ◯ 一元的な価値観
 ◯ LGBTQ+

ジェンダーについての世代間ギャップ

SDGs 17の指標のうち、5番目に定められている『ジェンダー平等の実現』。
Sustainable Development Report 2020」によると、日本のジェンダー平等の実現の進展度合いは横ばいのようだった。

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しかし、「世界価値観調査(2017-2020 )」に目をやるとZ世代を含む日本の18~29歳が最も同性愛について寛容な姿勢を示していることがわかる。10段階での自己評定点で算出されており、18~29歳の平均は8.58点となった。

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この点数は世界的に見ても高水準な数値となっており、SDGs 5番目に定められている『ジェンダー平等の実現』の発展が日本で横ばい状態である原因には、世代間ギャップがあるのは明らかであろう。

以下は2016年にリクナビNEXTジャーナル(*1)に掲載された、アーティスト 井上涼 氏のコメントだ。(一部抜粋)

人によってはまだ知識がないためゲイを性癖だと思う方もいて「仕事の場で性癖をオープンにする必要があるの?」と言われたこともありました。

ジェンダーについての世代間ギャップがありありと見て取れる発言で、当時点(2016年)でゲイである井上氏のセクシャリティを “性癖” とみなす社会人もいたという。
もし2021年現在でもこうした知識不足を抱える世代がいるのであれば、『ジェンダー平等の実現』の発展に先進諸国のなかで遅れが出ているのには首肯せざるを得ないだろう。

(*1)リクナビNEXTジャーナル 井上涼 氏のコメント
https://next.rikunabi.com/journal/20161122_d/

Z世代内で進む “性”へのオープンな姿勢

アメリカのZ世代では、6人に1人がLGBTQ+を自認(*1)していることがわかっている。
著名なZ世代, ミレニアル世代などのセクシャリティのアウティング(*2)や、性に対しオープンな姿勢を示したり、自身のセクシャリティに悩むようなNetflixドラマ(セックスエデュケーションPOSEなど)が登場していることに起因し、「自分も声をあげても大丈夫なんだ」と前向きになれるシーンが増えていると考えられる。

日本国内でも、セクシャリティを公言する芸能人やABEMAの『17.3sex』の登場に見るように、性のオープン・カンバセーションが行われる機会が増加してきていることがうかがえる。

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また、セクシャルケア製品の小売業『ブルーミー』創設者のストーリー氏(*3)によれば、18〜24歳の若者はミレニアル世代に比べ積極的にセックスや月経などの情報を収集する傾向にあるという。

以上のようなことから、他世代に比べ元来SDGsに理解のあるZ世代はジェンダーへの寛容度が非常に高く、かつNetflixやABEMA、芸能人のアウティング報道などから性に対しオープンな姿勢をとる人々に触れる機会が多い。
加え、これから性観念を形成し始めるZ世代の心の成長ステージも起因し比較的性の情報取得に積極的であることも言えよう。

(*1)6人に1人がLGBTQ+を自認
https://www.businessinsider.jp/post-230319

(*2)アウティング
自身のセクシャリティを公言すること。第三者による、当人の意思確認のないアウティングだったり、職場・学校・家族などの基軸コミュニティ内でのアウティングのプレシャーなどが問題として上がることが多い。

(*3)『ブルーミー』創設者のストーリー氏によれば…
https://www.mashingup.jp/2020/10/222127_glossy_sexualwellnessforgenz.html

“性” のオープン・カンバセーション

今年2021年3月、札幌地裁が「同性婚を認めないのは違憲」と判断した。共同通信の記事を以下に抜粋する。(*1)

“武部知子裁判長は判決理由で「同性カップルに婚姻で生じる法的効果の一部すら与えないのは立法府の裁量権を超え差別に当たる」と指摘”

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北海道の同性カップルらが「同性婚を認めないのは違憲」とし訴訟を起こした。法の元の平等に反するという決断が下され、法を司るいち裁判所にて 同性間の結婚が認められるべきだと判断されたのだ。

マクロ視点でもみれば、ようやく国・世間として “性” のあり方を認める方向に進みつつあることを感じた。しかし一方、個々人などのミクロな視点でみた “性” の進展はどれほどだろうか。
性教育YouTuber 兼 助産師のシオリーヌ氏はHUFFPOST(*2)で以下のように語る。

“性や人権に関するリテラシーが低いままなのに、インターネットやスマートフォン、SNSが普及し、以前より子どもたちが目にする性的な情報は増えている”

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そうした現状であるにも関わらず、ステレオタイプの蔓延ったテレビや映画から「男性は女性をリードすべき」「女性は身を任せるべき」などといったジェンダーロールに苛まれパートナーとの理想的な性関係を築けなかったり、ホモソーシャル(*3)に苦しむ若者もあるという。
シオリーヌ氏はそうした悩みを解決する手法として、楽曲作成などエンタメを絡めた性教育に注力しているそうだ。先述したNetflixのセックスエデュケーションPOSE、ABEMAの17.3sexなどもエンタメとして性について情報を与えたり、かたや自身を与えてもいる。

性のオープン・カンバセーションという、誰もが気軽に話題にできるエンタメのように、気にかかってる性のことを安心して話せる環境がZ世代の周りに構築されつつあることを願いたい。

(*1)札幌地裁「同性婚を認めないのは違憲」
https://this.kiji.is/744742716853256192?c=39546741839462401

(*2)HUFFPOSTでの、性教育YouTuber 兼 助産師のシオリーヌ氏
https://bit.ly/3tW20M4

(*3)ホモソーシャル
性や愛情を伴わない、同性同士の友情や絆によって生まれるコミュニティや社会組織。男性のホモソーシャルの場合、ミソジニー(女性軽視)やホモフォビア(同性愛嫌悪)によって構築されることが多いそうだ。

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