「物語 × 製品」を合わせた小説仕立ての製品訴求コンテンツ

実績紹介_はつみつを使った製品 Works
  • 以下では、物語に乗せてはちみつを使った製品を訴求する短編小説3本を掲載
  • 単身者向け, 家族世帯向け, ギフト起用の3パターンで訴求軸に幅を持たせています
  • 守秘義務につき具体的な製品は明記しておりません

単身者向けの短編ストーリー

ー 本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。それでは失礼いたします。

ディスプレイ越しの取引先につむじを向けつつ、手早くマウスを操作し退出ボタンをクリックした。

ずいぶんと長い商談に感じた。
営業先との商談の後、ひと仕事終えた、なんていう達成感を味わえなくなったのは、一体いつからだろうか。

ディスプレイを見つめていた視線が、ぽつ、と手元に落ちてきた。

私の住む東京都は、新型コロナウイルスの蔓延を食い止めるため、都民に外出自粛を呼びかけた。

勤務先の会社も情勢に鑑み、まもなく在宅ワークを始めていた。

在宅勤務を終えたその日、久々にお湯を張って湯船に浸かった。

じゃば。
水音を立て、自宅のデスクでキーボードを叩いてばかりいる今の手を、何かを受け止めるみたいに、力いっぱい開いてみた。

ー 前みたいな手じゃない。

今の会社で仕事を始めてから、私は握手が好きになった。

商談を締めくくった後、お互い満ち足りた顔で握る手。

本気でお互いを信じ合い、目には見えない自信が確かにそこにあるように、ぎゅっと互いの手を握る。期待や不安、喜び、安心が入り混じりながら、きっとある未来に向かおうと決める瞬間。

その瞬間が何物にも替えがたく、私を虜にした。

だが、今、そんな体験をともに味わった人たちの手を、前のように自信を持って握れるだろうか。安心してもらえるよう、身を任せてもらえるよう、暖かく、柔らかく、強かに。

働くのもこの部屋。ご飯を食べるのも、お風呂に入るのも、眠りにつくのも、朝目を覚ますのも、全部がこの部屋。世界が、どんどんと、この足の、手の及ぶ範囲だけになっている。

でも、そう思ってはやつらの思う壷。私の手は、未知の世界、新たな世界と繋がる手だ。

この部屋に居続けていたって、誰かとの未来を手繰ってみせる。この私の手を信じられるのは、私しかいない。

この手を、私を、もう一度潤そう、充たそう。

キーボードを叩くことでだって、マウスを走らせることでだって、スマホを指でなぞることでだって、私の未来は切り開ける。

湯船で温まった体を、布団が優しく包み込んでくれるだろう。それから、“纏う蜂蜜”ハンドクリームは、大事な大事な私の手を、ずっとずっと優しく、支えてくれるだろう。

私は私のこの手がある。明日もきっとこの先も、きっときっと、大丈夫。

家族世帯向けの短編ストーリー

ー トイレは済ませたわよね? もうお兄ちゃんになったんだもの。それじゃあ、おやすみなさいね。

恥ずかしい話だが、小学校3年生まで両親と一緒の寝床でなくては、寝付けなかった。

年の離れた兄が隣県の大学へと進学し空いた部屋を充てがわれたが、ちっとも嬉しくはなかった。

お兄ちゃんなんだからという母親に意地を張るのも、もうしてはいけない年頃なんだと気が付いていた。

でも、しんと静まり返ったこの部屋で、ごそ、とか、かさかさ、とか、なんでもない家鳴りがする度に、目には見えない恐ろしいものが家中を彷徨っているように感じた。

今回こそは、きっと。

大人しく、大人らしく。そう思い母親に従い、ひとり兄が残した布団に潜り込んだ。

そう心を決めておきながらも、布団から頭を出せば、彷徨うやつらに勘付かれやしないか。寝返りを打ったなら、ふとした拍子に布団から足がはみ出し、ぐっと何者かが足首を掴んで来はしないか。見えない何かに考えを巡らし始めると、途端、布団の中で身動き一つとれなかった。

眠りにつこうとして、もう何時間経ったろうか。

ー ガラガラ、ガシャ

かすかにだが、物音と話し声が聞こえてきた。方向はどうやらリビングのようだ。遂にやって来たのか、恐怖に慄いた。

この時ばかりはしかし、自分に言い聞かせた。今日は、一人で夜を越そうと心決めた。今晩こそは、そんなカイブツなんていないんだと見破ってやる。

何ともない何ともないと言い聞かせ、そっと布団から身を起こす。へっぴり越しの足取りで、リビングを覗き込んだ。

リビングには灯りが点いていた。そこに居たのは、あら、と僕を見つめる、寝巻き姿の父と母だった。

ベッドに着いて間もなく、小腹が空いたと二人揃って深夜番組を横目にトーストを食べていたのだ。

途端に安心し、どっと泣き出した僕は、ほらほらと母の側に座らされた。二人が食べていた、蜂蜜のトーストを急いでかじった。

瞬間、乾いた口いっぱいに、安らかな花の香りが広がった。とろりととろけるような感触も相俟って、恐怖でいっぱいだった僕は一瞬にして癒された。

蜜蜂が一生かけて運ぶ蜂蜜はスプーン一杯というようだが、僕がカイブツの正体を見破ったあかつきに手にしたのは、そんな蜂蜜がふんだんに使われたこのトーストだったというわけだった。

そんなことがあってだろうか。僕にとってあの蜂蜜は、今食べても、昔ながらの懐かしい味だな、そう思ってしまう。

プレゼント(ギフト)にまつわる短編ストーリー

腕組みし腰をかがめ、一向に膨らまないオーブンの中のスコーンを睨みつける。

玄関の片付けは終えたし、トイレもちゃんと掃除できたはず。

大人しく待つかとソファに腰を落とし、ぼんやりと窓辺に目をやると、手を繋いで歩く、ちっちゃな女の子とそのお父さんが歩いている。

ー いつだったか。

最後に会った時、約束の時間に遅れてやって来たあなたはから、スズランを受け取った。

毒があるから気をつけてって。最初にそう告げて、じゃあ行こうか、なんて言う。

ちょっと、と窘めようとすると、私の手元をちっちゃく指差した。

代わりに頭を垂れてもらったつもりなんだ、遅れてごめん。

許せばいいのか怒ればいいのか戸惑って、ありがとうって返すと、もう気付けば、私たちの足はどこかも知れず向かい始めてた。

自然公園を散策したり、商店街を物色したり、カフェに入って足を休めたり。私の好きなカスタードケーキを切りわけ、食べさせて、代わりにそっちの頂戴って言うと、とんでもない量の蜂蜜をかけたスコーンを分けてくれたり。

花屋も兼ねていたそのカフェでは、テーブル席の奥へ進むと、四季折々の花が所狭しと顔を見せてくれた。喫茶を終えた途端、まるで蜜を吸い集めるミツバチのように、ごくごく自然に、あなたは奥へ吸い込まれて行った。そして何やらお店の人と話し込む。

置いてけぼりにされ、つんとしてるのに気付くと、

食べる美容液っていわれてるんだって。さっきのスコーンにも使ってた。買ってあげる。

そういって見せてくれたのは、コーヒー豆やお花でなく、蜂蜜だった。

プレゼント包装にしますか、店員さんにそう聞かれると、そのままでいいですよって。その後、疲れたからそれアンタが持っててって言っちゃったの、後悔してるかも。

ー いつの間にか、芳醇なバターの香りで部屋がいっぱいになっていた。

オーブンのアラームで目を覚まし、ソファからずった身を起こす。

オーブンの中のスコーンたちがすくすくと膨らんでいたのを確認し、ふてくされたあの時、あなたが買ってくれたクラフトピュアハニーの蜂蜜を木のスプーンで掬って、なめてみた。腐らないから、ずぼらな僕らは大助かりだね。

糖度80%の完熟蜂蜜で、貰ったのはずいぶん前だった気もするが、カフェであんな風に話したように、あの時のまま。生の味わいが口いっぱいに広がった。

今度鳴ったのはインターホン。待ってた人が届けられた音だ。

スコーンと蜂蜜。今日のあなたのお花は、どんななんだろう。

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